論文管理ソフトZoteroを使い始めた

論文管理ソフトとしてずっとMendeleyを使っていましたが、少し前からZoteroに変更しました。

なぜMendeleyをやめようと思ったのか、Zoteroに変更して実際どうかを記載していきます。

論文管理ソフトとは？

原著論文を1つ書く上で、その引用文献に40本前後の論文が上がるかと思います。実際には論文の内容に関連した論文をより網羅的に検索し、中身を見た結果、自分の論文の議論を進めるのに必要な論文を取捨選択した結果の40本なので、1つの原著論文を書くに当たって100本以上は論文に目を通しているでしょう。そんな膨大な数の論文を普通に管理するのは結構大変です。

また、PubMedなどで論文を見つけ出し、そこからジャーナルのサイトに移りpdfをダウンロードする、という作業も、数が多くなると煩わしくなってきます。しかも、そうして拾ってくるpdfファイルの名前はジャーナルによって付け方がまちまちで、よく”1-asasfjkfjk…pdf”みたいなこちらからみて意味のない情報で名前がつけられていることが多く、ダウンロードしてきただけだとなんのファイルかすぐにわからなくなります。PubMedの検索結果から1クリックでpdfをとってきてくれ、一目で何に関する誰のいつ頃のどんな論文かがわかってくれたらどれだけありがたいか。

さらに、論文で引用文献を提示する際に、論文で言及している場所にマークをつけ、論文の末尾にreference listをつけます。単純にこれだけでも面倒ですが、私は大体論文を投稿すると最初の2,3個は高望みしてrejectを喰らうので、その度に引用文献の提示形式を修正しなければなりません。これは当然自動でやってもらいたい。

ついでに、論文を書くのはPCですが、普段読んだりするのはiPadなので、PCとiPadで情報を共有してほしい。また、タグやフォルダなどで論文を分類する機能があると嬉しい。

大体こんなのニーズを満たしてくれるのが文献管理ソフトです。

Mendeleyをやめた理由

元々Mendeleyを使っていて、上記の文献管理ソフトに私が求めていたことは基本的に全部できていました。

ただ、最近動作が非常に遅いと感じることが増えたこと、PCとタブレットで共有するためのMendeleyのクラウド容量の上限に達しつつあったこと、タグやフォルダの使い方が昔と変わってきたので今の使い方で統一するのにリフレッシュしたかったこと、Zoteroの評判が良かったことから、思い切ってZoteroに切り替えることにしました。

Zoteroの導入

Zoteroの導入に当たっては、次のnoteを参考にしました。

note（ノート）

 

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【令和最新版】文献管理ソフト Zoteroのすゝめ｜SD｜note

https://note.com/sdeso/n/n013952313c1b

はじめに 研究のお仕事をしていると、先行研究の調査や最新論文のチェックなど、毎日論文を読むことになります。 仮に１日に3本の論文を読んで手元に保存したとして、１年で１０００本を超える論文を扱わないといけないことになります。 私は整理整頓が苦手なので、考えただけでお腹が痛くなります。。。が、この令和の世の中、便利なものは既にdevelopされています。 それが【文献管理ソフト】です。 文献管理ソフトそのものについてはまた別の機会に書くとして、大まかには ・文献情報（著者、タイトル、出版社等）と文献の電子デ...

こちらのnoteを参照して改めてZoteroを導入しようと決めたのは、上記の僕の求めていた機能があったことに加えて、論文のメタデータの共有はZoteroのクラウドを使用する必要があるが、pdfそのものはDropboxなどの外部のクラウドサービスを利用した共有を設定できる、という点です。

これは、Zoteroのサーバーの使用できる容量が少なくても、外部の大容量のクラウドサービスを用いてpdfを貯めていけるので、非常に魅力的な機能でした。

Zoteroにしてみた感想

まず、Chromeの拡張機能である”Zotero connector”が良い。閲覧しているPubMedページでChromeのメニューバーにあるZotero connectorアイコンをクリックすると、簡単にZoteroにメタデータが登録され、論文pdfがダウンロードできる環境だと、一緒にpdfファイルも登録されます。これが非常にスムーズでスピーディ。検索して見つけた論文をその場ですぐに登録できるのはとても重要だと再確認しました。

とある医学の研究目録–Index of Medical Research

2019.08.24

PubMedで文献検索を効率よく行う適切な検索ワードの作り方

https://index-medres.com/search-meshword

先日、クリニカルクエスチョン（CQ）の答えを探す、と題して、ガイドライン/Cochrane/PubMedなどを用いて文献検索をする方法の例を紹介しました。今回はCochrane/PubMedなどで文献検索する際に、どんな用語で検索すればある程度網羅的に検索できるかを考えます。ちなみに先日の投稿はこちら。http://index-medres.com/resolve-cq/検索に使うキーワードを決める先日の「うつ状態の認知症患者に抗うつ薬は効果があるか？」というCQに対して、この文章をそのまま英文にして検索窓に打ち込んで検索してもうまくいきません。うまくキーワー...

次に、文献整理のために「コレクション」と「タグ」という分類方法があります。僕は大体自分のかいたどの論文で引用したかがわかるようにタグを利用しています。2018年に出したBPSDに関する論文で引用した論文には「2018BPSD」みたいなタグをつけたりしてます。このタグ付けもやりやすくて良かったです。

wordファイル上で引用番号をふったり、文献リストを作ってみても、今のところ反映が早く、ストレスを感じません。

今のところ、Mendeleyから移行してよかったな、という印象です。

ちなみに、Zoteroを導入して1週間程度で、登録した論文が100本を超えていました・・・。数が多くなると重くなったりするか、心配です。