日本人に馴染みない英語論文の作法-Structured abstract; double space; Font

投稿規定に出てくる英語 論文作成・投稿
投稿規定に出てくる英語

英語で論文を書いていて、何度やっても「あれ?これどうするんだったかな?」と悩んだり、初めて国際学会や英語雑誌に投稿する大学院生に質問されたりする、日本人にあまり馴染みのない英語論文での作法をいくつかまとめます。

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Structured abstractとは?

先日、初めて英語での論文投稿を考えている先生から受けた質問。

abstractのところで書かれている”structured”ってなんですか?

投稿を考えているという某雑誌の投稿規定にはこんな記載が。

(1) Original Article
Word limit: approximately 4000 words
Abstract: 300 words or fewer, structured

(2) Review Article
Word limit: approximately 6500 words
Abstract: 300 words or fewer, unstructured

https://onlinelibrary.wiley.com/page/journal/14798301/homepage/forauthors.html

この指定は、abstractを

“Introduction/Methods/Results/Discussion”のように見出しをつけて

それぞれについて記載するように、というものです。

unstructuredという指定の場合は、このような見出しをつけずに書くabstractになります。

これは国際学会で抄録を投稿するときにも指定されていることがあります。

見出しは学会/雑誌によっては

Introductionの代わりにBackgroundやAim、Objectives
Methodsの代わりにMaterials and Methods
Resultsの代わりにFindings
Discussionは不要なのでConclusionsをつける

など指定が様々なので、雑誌/学会の投稿規定をよく読んで合わせましょう。

Structured abstractとは?

Introduction/Methods/Results/Discussion
のような見出しつきで段落を分けて書いた抄録

double spaceとは?

またまた論文雑誌の投稿規定より。例えばNeurologyの投稿規定にはこのように書かれています。

Articles require structured abstracts that should not exceed 250 words (one double-spaced typed manuscript page). Abstracts should be lucid and readable; minimum statistics are sufficient. A structured abstract should be organized as follows:

https://www.neurology.org/writing-your-paper

これは「行と行の間に1行分のスペースを開ける」という意味になります。

MS Wordでは基本的に「行間:2行」の設定に当たります。

ただ、日本語とアルファベットの大きさの違いからか、日本語版のWordで「行間:2行」と設定して英文を書くと、行間が2行分くらいになってしまいます

なので、日本語版Wordで英文のdouble spaceを実現するためには、行間を手動でポイント指定しなければなりません

具体的には、12ptのフォントで英文を書くなら、行間を「固定値で27pt」に設定するとちょうどいいくらいです。

なぜフォントサイズが12ptかというと、英語版Wordのデフォルトのフォントサイズだからです。日本語版Wordのデフォルトフォントサイズは10.5ptという中途半端な値ですが、これも日本語とアルファベットの見た目の違いからなのでしょう。

double spaceとは?

・「行間を1行分開ける」という意味
・日本語版Wordで英文のdouble spaceを実現するには、

フォントサイズ12ptで行間を固定値27ptに設定

Serif FontとSans-Serif Fontとは?

パッと具体例が出てきませんが、雑誌によっては時々投稿原稿のフォントを指定することがあります。

“Times New Roman”など具体的に指定してくれればいいのですが、”Serif Font”や”Sans-Serif Font”のように指定されることがあります。

具体的には次の通りです。

Serif Font, Sans-Serif Fontとは?

Serif FontはTimes New Romanなどの飾りつきフォント

Sans-Serif FontはHelveticaなどの飾りなしフォント

ちなみに、Serif Fontの中でもTimes New Romanは縦長でシュッとしているので、横長で用紙ギリギリサイズのTableになってしまう場合、同じフォントサイズでも他のフォントより誌面に収まりやすく、重宝します。

 

ということで、投稿規定に出てくる英語のまとめ。

投稿規定に出てくる英語

投稿規定に出てくる英語

[adchord]

区切り記号(, ; :など)の強さの序列

おまけ。

例えばある用語を説明する時、日本では次のようにすることが多くないですか?


DLB: dementia with Lewy bodies

コロン(: )は英語でも説明や定義、「つまり」という同格の意味を持つそうなので、この使い方そのものは英語でも正しいようです。

問題は、このように定義する用語が複数ある時です。

例えば、日本人だとこうしてしまいます。


日本語ではやってしまうが英語としてはダメな例
AD: Alzheimer’s disease, DLB: dementia with Lewy bodies

とても自然に見えるのですが、これの何がダメかというと、文を区切る強さがカンマ(, )よりコロン(: )の方が上なんだそうです。

つまりこの例だと、”AD”と”Alzheimer’s disease, DLB”と”dementia with Lewy bodies”の3つに分けられている、というよくわからない文になるそうです。

さらにセミコロン(; )も含めると、文を区切る強さの序列は

カンマ(, ) < セミコロン(; ) < コロン(: )

になるようです。

そのため、上記のような略語の定義を並べる際は、次のようになります。


英語として正しい区切り方
Abbreviations: AD, Alzheimer’s disease; DLB, dementia with Lewy bodies.

日本人としては非常に気持ち悪いですが、不思議なものです。

このような表記は、論文だとtableの脚注で使われることが多いです。

区切り記号の強さの順序

・「カンマ(, ) < セミコロン(; ) < コロン(: )」の順で文を区切る力が強い

・Table legend(脚注)で複数の略語の説明を添える場合は

Abbreviations: AD, Alzheimer’s disease; DLB, dementia with Lewy bodies.

 のようにする

また何か思いついたら書いてみます。

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